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【記者コラム】弱冠20歳 伸び盛り中石に注目

 9月12日に行われた京王閣FⅠのS級決勝は見応えのある一戦だった。ラインは2分戦。売り出し中の125期生、中石湊(北海道、写真)―の後位には松岡貴久(熊本)―久島尚樹(宮崎)の九州勢。対する関東勢は菊池岳仁(長野)―堀江省吾(長野)―諸橋愛(新潟)―大矢崇弘(東京)で4車連係。ラインの先頭は自転車競技の現ナショナルチームメンバーの中石VSかつてのメンバー菊池とあって、スリリングなスピード対決が期待された。

 関東勢は菊池―堀江の長野勢が2段駆け態勢。それを中石がどう攻略するか注目された。初手は中石がスタートを奪って前受け策。赤板で関東勢が前に出るとそのまま菊池が先行した。中石が巻き返したのは最終バック。5番手からダッシュ良く仕掛けると松岡以下は離れ単騎捲りの形に。4角で堀江が番手から抜け出したが、さらにその外を伸びた中石が前団を捉えて2度目のS級優勝。上がりタイムは11秒2だった。

 中石はレース前に「A級の時に連勝が17で止まった時も相手が2段駆けだった。その時の悔いが残っている」と語っていたが、その反省を生かしたレース内容。相手が2段駆けだろうが、自分のスプリント力を信じた仕掛けで封じ込めた。京王閣の前には函館のオールスターに参戦。初のGⅠは2、6、8、7、2着で勝ち星を挙げられなかったが「いつもと違う感じでした。9車立てのレースは初めてだったし、いろいろ学べた」と振り返った。

 さらに全日本自転車競技選手権にも参加。8月25日に行われた1㌔タイムトライアルでは、新田祐大を下して優勝している。今後は自転車競技の世界選手権(10月、チリ・サンティアゴ)に出場予定。弱冠20歳。伸び盛りの若者の活躍に注目したい。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ。愛知県出身の57歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。

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